次世代のAI技術がメガバンクの間でも次々と導入され始めています。

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メガバンクが取り入れているAI技術

 

フィンテックの台頭により、銀行の仕事は奪われると言われています。
しかし、銀行もフィンテック系ITベンチャーにシェアを奪われる状況を指を咥えながら見ているほど楽観はしていません。
昨今は銀行も続々とAI技術の導入を進めています。
メガバンクが取り入れているAI技術をまとめました。

 

三井住友銀行のペーパーレス店舗

 

三井住友銀行は2017年4月に「ギンザシックス」内で次世代型の店舗(銀座支点)をオープンさせました。
新店舗はペーパーレス店舗と呼ばれ、手書きの手続き書類と記帳台はありません。
そのかわりに専用端末が置かれていて、筆跡や文字を書くスピードを読み取って本人確認を行い印鑑不要で口座開設や預け入れ、引き出し、振込など通常店舗と同様の業務を行います。
ペーパーレス化とAIを使った本人確認技術、受付業務のデジタル化によって店舗の人件費を大幅に削減しました。
三井住友銀行は2020年までに全店舗をペーパーレス化をして、店舗勤務を行う4,000人の従業員を部署異動させる方針を打ち出しています。

 

三菱UFJ銀行は9,500人の人員削減計画

 

人員削減を話し合う役員

2017年9月に三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行社長は国内の事務作業の自動化やデジタル化で全従業員30%にあたる9500人相当の労働量の削減を実現したい方針を明らかにしました。
三毛兼承頭取もAI技術を積極的に導入したい考えを明らかにしています。

 

展示会で出品しているAIを使ったビッグデータの活用や、一部の店舗で実証実験をしている「NAO」というAIロボットを活用した受付業務を実用化していく見込みです。
住宅ローンの受付業務だけでも、ネット受付や専用端末からの受付にするだけで年間2,500時間の労働量の削減に繋がると話をしています。

 

AI技術の導入に積極的なみずほ銀行

 

みずほ銀行は2017年にソフトバンクと50%ずつ出資した合弁会社のジェイスコアより国内初のAIスコアレンディングをスタートさせて話題を集めました。
2018年2月には複数のIT企業と共同で、AI(人工知能)とOCR(文字認識技術)、RPA(ロボットによる自動化)を活用した、手書き・非定型帳票の事務効率化ソリューション「AORソリューション」の実証実験に成功したことを発表しました。
今後はみずほ銀行での活用や新会社設立による実用を進めていく方針です。

 

メガバンクのAI技術の活用動向

 

実用化しているものや開発を進めているものを含めて、メガバンクは以下の分野でAI技術およびデジタル化を進めていく見込みです。

 

  • 各種ローンや融資の審査業務
  • 窓口業務
  • 投資部門の運用業務
  • 中間管理職の決済および采配業務

 

最大手の三菱UFJ銀行が30%の人員削減目標を明らかにしているように、今後はメガバンクが生き残るにはAIを活用したコスト削減が必要不可欠です。
メガバンクのサービスがコスト削減によって向上されれば地銀や信用金庫にも影響が及んでいき、AI化と人員削減の流れは金融業界全体に波及していくでしょう。