銀行員への影響
フィンテックの進化する中で大きな影響が出ると懸念されているのが銀行員です。
最大手の三菱UFJ銀行の場合、株価は安定して推移していて2018年3月期は前期から増益する予想を打ち出しています。
フィンテックによって需要を奪われている分野が一部ありますが、現時点では銀行の売上を大きく落としたり、人員削減を行う状況にはなっていません。
賞与や昇給も例年通りの内容になる見込みです。
現時点で直面している悪影響はありませんが、三菱UFJ銀行の場合は将来的に全従業員の30%にあたる9,500人を削減したい方針を明らかにしています。
三井住友銀行は人員削減の方針こそ出していませんが、2020年を目標に全店舗でペーパーレス化を進め、店舗スタッフ約4,000人を削減して他部署に異動させる方針を出しています。
フィンテックによって銀行員の仕事はどんどん奪われていって、銀行は人件費を中心にコストを削減した運営に切り替えていく見込みです。
数年後には銀行員の大量リストラが行われる可能性もあり、幅広い評論家やメディアが銀行員の将来を危惧しています。
現場の仕事がなくなる
フィンテックやデジタル化、自動化、AI技術の影響で以下の業務が将来的になくなると言われています。
- 案内業務
- 窓口業務
- 審査業務
- 運用業務
全てで人が完全に不要になるワケではないですが、人員削減されることが予想されています。
銀行業務の多くの分野を占めているので、店舗スタッフの仕事が減少する懸念があります。
またAIアルゴリズムによる自動売買の投資の実用化により、アメリカでは多くのトレーダーが職を失う事件も起きています。
特に転勤のない一般職として、現場での仕事をしている人は、リストラの対象になる可能性が高いです。
銀行は一流大学を卒業する人から人気の勤務先で安定感が魅力の仕事でしたが、景気の悪化ではなくフィンテックや人工知能の進化によって現場の仕事がなくなってしまう懸念があります。
ポスト争いが激化
各部署で現場の仕事を人工知能が行うようになった場合、管理者の人数も削減します。
多くの人を動かす場合は、数に比例して責任者、中間管理職が必要になります。
人員削減が行われれば、部署の統合が進んでいき、管理職のポストも減少していきます。
管理職のポストに付いているからこそ、リストラの候補にされてしまうこともありますし、これから出世を目指す場合は今まで以上に厳しい競争が待っています。
業務負担が減る
銀行は大卒から新卒入社すると30歳までは勉強することが多い職業です。
昨今は労働管理が徹底されてきて、運営母体のしっかりしている銀行は、オフィスに残って長時間残業させない取り組みを行っています。
若手銀行員は職場での残業及び日常業務の持ち帰りが少なくなっても、社内資格、社外資格などを取得するために、帰宅後や休日を潰して勉強漬けになるものです。
フィンテックやAIによる業務効率が進めば、銀行員に求められる能力や知識が減少して、勉強量を含めた業務負担の軽減に繋がるかもしれません。
ただし、勉強量を減らすことは、業務のデジタル化や自動化が実用化し、安定した業務をすることが確認できてからです。
フィンテック技術の普及と同時進行で若手の業務負担軽減とはいかないでしょう。